歯周病とは
歯周病とは生活習慣病の一つで、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患のことです。 歯と歯肉の境目まで歯磨きが行き届いていないと、その溝に歯垢が溜まり、歯垢を放置すると歯石になります。 それらが細菌の栄養となってしまい、細菌によって歯肉が炎症を起こします。この状態を『歯肉炎』と言います。 歯肉炎が進行すると、今度は歯を支えている歯根膜や歯槽骨へも症状が広がります。 ここまで進行してしまうと『歯周炎』となってしまいます。
歯周病は慢性疾患なので、一度発症してしまうと完治は難しいんです。 歯肉炎の状態であれば、完治は見込めますが、歯周炎にまで進行してしまうと、治療を終えても再発の可能性があるので、完治したとは言い切れません。 なので、歯周病発症後、治療を終えたら、再発の防止、他の場所から発症する事に対しての予防をしていかなければいけません。
歯周病は成人の80%に発症の可能性があります。健康な歯を維持するためには、半年に一度以上の定期検診をおすすめします。
検診、治療の流れ
初診時には虫歯、歯周病に限定せず、様々な検査をします。
- 歯が28本揃っているか確認
- 歯が揺れていないか確認
- ピンク色の染めだし剤を使用した染めだし検査
- レントゲン撮影
患者さんが痛い、と思う部分以外にも虫歯や歯周病になっているところがないか、 時間をかけて検査します。 患者さんの全ての歯の状態を確認し、全ての歯を確実に治療をするための、スケジュールを立てていくためにはどれも大事な検査です! そのため、1度目の処置は主に検査のみで終了する場合がほとんどなんです。
2度目以降の流れは以下の通り。
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① 歯石を取る
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② 検査
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③ 歯周ポケットの歯石を取る
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④ 検査(治癒していなかったら、再び①へ)
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⑤ 定期健診
定期健診の中で、再発、新たな発症が発見された場合は再び①~⑤を繰り返します。 定期健診では、お家でしっかりと歯を磨けているかなども確認して、それぞれの患者さんにあった歯ブラシや磨き方を指導していきます。 大人であるか、お子様であるか、男性、女性、それぞれの磨き方やクセにあった歯ブラシがあります。
隅々までキレイに磨けているかということは、自分では中々わかりません。
予防歯科について
歯肉が腫れたり、炎症を起こして赤くなる歯肉炎の状態では、痛みはほとんど感じません。 歯周病はサイレントディシーズ(静かなる病気)と呼ばれ、発症するまでに気づくことが難しい症状なのです。
歯周病の発症を事前に食い止めるためには、歯垢をキレイに掃除する毎日の歯みがきと定期的に全ての歯を検査する定期健診が必要になります。 少なくとも半年に一度は定期健診を受診し、その時に歯みがき指導を受けるのがおすすめです。 磨き忘れやすい場所や、歯の磨き方のクセ、歯の形にあった歯ブラシなどを歯科衛生士が指導します。
それでも発症してしまう場合もあります。 小まめな体の変化に気付けるようにしておきましょう。
次のような変化を感じたら、歯科医の受診がおすすめです。
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歯みがきの際に出血がみられる
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歯茎がむずむずする、かゆい
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歯が浮いている感じがする
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噛んだときに痛みを感じる
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口臭が気になる
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歯が長くなったように感じる
発症後、症状が治まることもあります。 しかし、それは治ったのではなく、一時的に症状が落ち着いているだけに過ぎません。 上記のような変化を感じたら、一度治まっても歯科医を受診しましょう。